臨床検査技師国家試験

【過去問】酸化的脱アミノ反応に関与しているのはどれか。

第66回 臨床検査技師国試 生化学(酵素) 過去問-14

第66回 臨床検査技師国家試験(2020年実施) 午後 問題40

1. アルギナーゼ
2. グルタミン酸デヒドロゲナーゼ
3. アルギニノコハク酸シンセターゼ
4. カルバモイルリン酸シンセターゼ
5. アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ

 

 

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正答

2: グルタミン酸デヒドロゲナーゼ

以上が正しい。

 

解説

アルギナーゼの働き

尿素回路においてアルギニンから尿素オルニチンを産生する酵素である。

 

グルタミン酸デヒドロゲナーゼの働き

アミノ酸のアミノ基は代謝の過程でトランスアミナーゼによってαケトグルタル酸に転移され、グルタミン酸が生じる。

グルタミン酸ミトコンドリア内にてグルタミン酸デヒドロゲナーゼによって、アンモニアとαケトグルタル酸へと分解される。

この酸化的に脱アミノ化を生じる現象を酸化的脱アミノ反応と呼ぶ。

グルタミン酸デヒドロゲナーゼは補酵素としてNAD+またはNADP+を必要とする。

 

アルギニノコハク酸シンセターゼの働き

アルギニノコハク酸シンターゼとも呼ばれる。尿素回路内の酵素であり、細胞質に存在する。

尿素回路はミトコンドリア細胞質にまたがって生じる回路であり、アルギニノコハク酸シンターゼは細胞質における最初の反応を触媒する酵素である。

シトルリン+アスパラギン酸+ATP → アルギニノコハク酸 + AMP + PP

この反応にはMg2+が必要である。

尿素回路の最終産物である尿素はNH2を2つ有するが、そのうちの1つはこの反応におけるアスパラギン酸に由来する。

 

カルバモイルリン酸シンターゼの働き

NH3 + CO2 + H2O → カルバモイルリン酸

上記の反応を触媒する酵素であり、この反応では2ATPを利用してNH3をカルバモイル化する。

尿素回路にてカルバモイルリン酸を合成する酵素はカルバモイルリン酸シンターゼIであり、ミトコンドリアに局在する。

一方で、ピリミジンヌクレオチドde novo経路(新生経路)でもカルバモイルリン酸は合成されており、こちらは細胞質に存在するカルバモイルリン酸シンターゼIIによって触媒される。

カルバモイルリン酸シンターゼIIが触媒する反応では、Nの供給源はアミノ酸であるグルタミンである。

 

アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼの働き

アスパラギン酸+αケトグルタル酸 ←→ オキサロ酢酸 + グルタミン酸

上記のアミノ基転移反応を触媒する酵素であり、細胞質型ミトコンドリア型のアイソザイムが存在する。

略称はAST (GOT)である。

肝臓や骨格筋、心筋、赤血球、腎臓など広範な臓器の細胞に存在しており、傷害された臓器から血中に漏れ出る逸脱酵素である。