アミノトランスフェラーゼの補酵素は?|ビタミンB6・ピリドキサールリン酸とホロ酵素を解説
アミノトランスフェラーゼ(アミノ基転移酵素)の反応に必要な補酵素は、ビタミンB6の活性型であるピリドキサール5′-リン酸(PLP)です。
国家試験では「必要なビタミンは何か」という形で問われるため、
アミノトランスフェラーゼ → ビタミンB6 → PLP
という関係を押さえておきましょう。
AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)やALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)もPLPを必要とする酵素です。
Contents
アミノトランスフェラーゼとビタミンB6の関係
アミノトランスフェラーゼは、アミノ酸のアミノ基を別の分子へ転移する反応を触媒する酵素です。
代表的なものに、
- AST
- ALT
があります。
これらの酵素がアミノ基転移反応を行うためには、補酵素としてPLP(ピリドキサール5′-リン酸)が必要です。
PLPはビタミンB6の活性型の一つです。
したがって、国試では、
「アミノトランスフェラーゼに必要なビタミンは?」→ ビタミンB6
と答えます。
一方、酵素反応をより正確に表現する場合は、
「アミノトランスフェラーゼの補酵素はPLP」
となります。
ホロ酵素とアポ酵素とは
酵素の中には、酵素タンパク質だけでは十分な触媒活性を示さず、補酵素などの補因子を必要とするものがあります。
このとき、
- アポ酵素:必要な補因子を欠いた酵素タンパク質
- ホロ酵素:アポ酵素に必要な補因子が結合した活性型酵素
と呼びます。
アミノトランスフェラーゼの場合は、
アポ酵素 + PLP → ホロ酵素
と考えることができます。
したがって「アミノトランスフェラーゼのホロ化に必要なもの」を問われた場合、選択肢がビタミン名ならビタミンB6を選びます。
第66回 臨床検査技師国家試験
第66回臨床検査技師国家試験(2020年実施)午後 問題37
アミノトランスフェラーゼのホロ化に必要なのはどれか。
- コバラミン
- ピリドキシン
- リボフラビン
- トコフェロール
- ニコチンアミド
正答
2.ピリドキシン
です。
ピリドキシンはビタミンB6の一形態です。
ビタミンB6から生じるPLPがアミノトランスフェラーゼの補酵素として働くため、ピリドキシンが正答になります。
各選択肢を解説
1.コバラミン
誤りです。
コバラミンはビタミンB12です。
補酵素型としてメチルコバラミンやアデノシルコバラミンがあり、メチオニン合成酵素やメチルマロニルCoAムターゼなどの反応に関与します。
2.ピリドキシン
正しいです。
ピリドキシンはビタミンB6の一形態です。
ビタミンB6の活性型であるPLPは、ASTやALTを含むアミノトランスフェラーゼの補酵素として働きます。
したがって、アミノトランスフェラーゼのホロ化に必要なビタミンはB6です。
3.リボフラビン
誤りです。
リボフラビンはビタミンB2です。
FMNやFADとなり、主に酸化還元反応を行う酵素の補酵素として働きます。
4.トコフェロール
誤りです。
トコフェロールはビタミンEです。
脂溶性ビタミンで、抗酸化作用をもつことが重要です。
5.ニコチンアミド
誤りです。
ニコチンアミドはナイアシン(ビタミンB3)の一形態です。
NAD⁺やNADP⁺の構成成分となり、主に酸化還元反応に関与します。
ビタミンB6とPLPを混同しない
この問題で気を付けておかなければならない点は、
ピリドキシンそのものがアミノトランスフェラーゼに結合して働くわけではない
という点です。
ビタミンB6には、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミンなど複数の形態があります。
正確に言えば、アミノトランスフェラーゼで補酵素として直接働く代表的な形態は、
ピリドキサール5′-リン酸(PLP)
です。
したがって、
国試で出題される際のビタミン名 → ビタミンB6(ピリドキシン)
実際の補酵素 → PLP
という整理をしておくと良いでしょう。
国試で覚える組み合わせ
この問題では、次の組み合わせを押さえておくと効率的です。
| ビタミン | 代表的な補酵素型・作用 |
|---|---|
| B2(リボフラビン) | FAD、FMN |
| B3(ナイアシン) | NAD⁺、NADP⁺ |
| B6 | PLP:アミノトランスフェラーゼなど |
| B12(コバラミン) | メチルコバラミン、アデノシルコバラミン |
| E(トコフェロール) | 抗酸化作用 |
この中では、
B6 → PLP → アミノ酸代謝
を特に覚えておきましょう。
確認問題
アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)の反応に必要な補酵素はどれか。
- FAD
- NAD⁺
- PLP
- CoA
- TPP
正答:3.PLP
PLPはビタミンB6の活性型で、ASTやALTなどのアミノトランスフェラーゼの補酵素として働きます。
まとめ
アミノトランスフェラーゼについて、国試では次の関係を押さえておきましょう。
- アミノトランスフェラーゼの補酵素はPLP
- PLPはビタミンB6の活性型
- AST・ALTもPLPを必要とする
- アポ酵素+補因子 → ホロ酵素
- 選択肢がビタミン名ならビタミンB6(ピリドキシン)
最も重要なのは、
アミノトランスフェラーゼ → ビタミンB6 → PLP
という組み合わせです。
