臨床検査技師国家試験

【過去問】ある酵素のKm値が2mMであるとき、最大反応速度の98%を得るための基質終濃度に最も近いのはどれか。

第66回 臨床検査技師国試 生化学(酵素) 過去問-7

ただし、Michaelis-Mentenの式 v = Vmax・[S] / Km + [S] が適用される。
(第66回 臨床検査技師国家試験(2020年実施)午後 問題29)

1.  25
2.  50
3. 100
4. 200
5. 400

 

 

正答

3: 100

が正しい。

 

解説

ミカエリス-メンテンの式を用いた計算問題の解き方

問題文で問われているのは、最大反応速度の98%を与える基質濃度 [S]である。

すなわち、最大反応速度の98% = 0.98・Vmaxをミカエリス-メンテンの式のvに代入し[S]を求めよ、と読み替えることが出来る。

 

実際に代入すると、

0.98・Vmax = Vmax・[S] / Km + [S] ------(1)

となる。

 

(1)式の両辺に(Km + [S])をかけると、

0.98・Vmax・(Km + [S])= Vmax・[S] -----(2)

となり、(2)式の両辺からVmaxを消すと、

0.98・Km + 0.98・[S] = [S] -----------(3)

となる。

 

[S] は1・[S]であるから、(3)式から、

0.98・Km = 1・[S] - 0.98・[S]

となり、

0.98・Km = 0.02・[S] --------------(4)

と整理出来る。

 

問題文よりKm = 2 mmol/Lであることから、(4)式のKmに代入すると

0.02・[S] = 1.96

となり、

[S] = 98 mmol/L

と求めることが出来る。

 

従って、選択肢の中で最も近いのは100 mmol/Lとなる。