1分子中に窒素を3つ有するのは、クレアチニンです。

クレアチニンの分子式は C₄H₇N₃O で、1分子中に3個の窒素(N)を含みます。

この問題では、クレアチニンだけでなく、尿酸、尿素、アンモニア、ビリルビンに含まれる窒素の数も整理しておくと確実に正答できます。

物質 分子式 窒素の数
尿酸 C₅H₄N₄O₃ 4
尿素 CH₄N₂O 2
アンモニア NH₃ 1
ビリルビン C₃₃H₃₆N₄O₆ 4
クレアチニン C₄H₇N₃O 3

国試ではまず、

クレアチニン=窒素3個

と覚えておきましょう。

第66回 臨床検査技師国家試験

第66回 臨床検査技師国家試験(2020年実施)午後 問題41

1分子中に窒素を3つ有するのはどれか。

1.尿酸
2.尿素
3.アンモニア
4.ビリルビン
5.クレアチニン

正答

5.クレアチニン

です。

クレアチニンの分子式は C₄H₇N₃O なので、1分子中に窒素を3個含みます。

それぞれの選択肢について確認していきましょう。

尿酸・尿素・アンモニア・ビリルビン・クレアチニンの窒素数

1.尿酸

誤りです。

尿酸の分子式は、

C₅H₄N₄O₃

で、1分子中に4個の窒素を含みます。

尿酸は、ヒトにおけるプリン塩基の主要な最終代謝産物です。

プリン骨格そのものには4個の窒素が含まれています。アデニンやグアニンでは、プリン骨格に加えてアミノ基由来の窒素を1個もつため、分子全体では5個の窒素を含みます。

一方、プリン塩基が分解されて生じる尿酸では、窒素の数は4個です。

国試では、

プリン塩基 → 尿酸

という代謝経路と合わせて覚えておきましょう。

核酸からプリン塩基、さらに尿酸へ至る分解経路については、核酸とその分解産物を解説|プリン塩基・尿酸まで国試向けに解説で詳しく解説しています。

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2.尿素

誤りです。

尿素の分子式は、

CH₄N₂O

で、構造式は、

CO(NH₂)₂

と表すことができます。

したがって、1分子中に含まれる窒素は2個です。

尿素は、アミノ酸などの分解によって生じた窒素を体外へ排泄するために、主として肝臓の尿素回路で合成されます。

尿素に含まれる2個の窒素の由来も重要です。

1個はアンモニア由来の窒素で、カルバモイルリン酸を経て尿素回路に入ります。

もう1個はアスパラギン酸由来の窒素です。

したがって国試では、

尿素=窒素2個

に加えて、

アンモニア+アスパラギン酸 → 尿素の2個の窒素

という関係まで理解しておくと、尿素回路の問題にも対応しやすくなります。

3.アンモニア

誤りです。

アンモニアの分子式は、

NH₃

なので、窒素は1個です。

なお、生理的なpHではアンモニアの多くはアンモニウムイオン(NH₄⁺)として存在しますが、いずれも含まれる窒素は1個です。

アミノ酸代謝では、アンモニア・アンモニウムイオンはさまざまな反応によって生じます。

代表的な反応として、グルタミナーゼによる反応があります。

グルタミン + H₂O → グルタミン酸 + NH₄⁺

また、グルタミン酸デヒドロゲナーゼは、グルタミン酸の酸化的脱アミノ反応を触媒します。

グルタミン酸 + NAD(P)⁺ + H₂O ⇄ α-ケトグルタル酸 + NH₄⁺ + NAD(P)H + H⁺

アミノ酸のアミノ基は、アミノ基転移反応によってグルタミン酸へ集められ、グルタミン酸からアンモニアとして取り出される流れを理解しておくことが重要です。

酸化的脱アミノ反応については、酸化的脱アミノ反応に関与しているのはどれかでも詳しく解説しています。

第66回 臨床検査技師国試 生化学(酵素) 過去問-14
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4.ビリルビン

誤りです。

ビリルビンの分子式は、

C₃₃H₃₆N₄O₆

で、1分子中に4個の窒素を含みます。

ビリルビンは、ヘモグロビンなどに含まれるヘムの分解によって生じます。

ヘムが分解されると、まずビリベルジンが生成し、さらに還元されてビリルビンになります。

ビリルビンは4個のピロール環をもつ直鎖状テトラピロールであり、それぞれのピロール環に窒素が1個ずつ含まれるため、分子全体では4個の窒素を含みます。

したがって、

ビリルビン=窒素4個

です。

5.クレアチニン

正しいです。

クレアチニンの分子式は、

C₄H₇N₃O

です。

したがって、1分子中に3個の窒素を含みます。

クレアチニンは、主として筋肉に存在するクレアチンおよびクレアチンリン酸から、非酵素的に生じる代謝産物です。

クレアチニンは血液中へ移行した後、主に腎臓から尿中へ排泄されるため、血清クレアチニンは腎機能評価にも広く用いられています。

この問題では、

クレアチニン=C₄H₇N₃O=窒素3個

を押さえておけば正答できます。

クレアチニンはどのように作られる?

クレアチニンを理解するには、その前駆体であるクレアチンの合成経路を整理しておくとわかりやすくなります。

クレアチンの合成では、まずアルギニンとグリシンからグアニジノ酢酸が作られます。

アルギニン + グリシン → グアニジノ酢酸 + オルニチン

この反応を触媒するのが、アルギニン:グリシンアミジノトランスフェラーゼ(AGAT、GATM)です。

次に、グアニジノ酢酸がS-アデノシルメチオニン(SAM)からメチル基を受け取り、クレアチンになります。

グアニジノ酢酸 + SAM → クレアチン + S-アデノシルホモシステイン

この反応を触媒するのが、グアニジノ酢酸メチルトランスフェラーゼ(GAMT)です。

クレアチンは筋肉などへ運ばれ、クレアチンキナーゼによってクレアチンリン酸になります。

クレアチン + ATP ⇄ クレアチンリン酸 + ADP

クレアチンリン酸は高エネルギーリン酸化合物として働き、エネルギー需要が急速に高まったときにADPからATPを再生するために利用されます。

クレアチンリン酸とATPの関係については、生体エネルギーと酵素を解説|ATP・酸化的リン酸化・UCP【国試対策】でも解説しています。

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クレアチンやクレアチンリン酸の一部は、酵素を介さずに自然にクレアチニンへ変換されます。

つまり、

グアニジノ酢酸 → クレアチン → クレアチニン

という流れで理解できます。

これらの化合物はいずれも3個の窒素を含むことも、今回の問題と関連して覚えておくとよいでしょう。

クレアチンとクレアチニンの違い

名前が似ているため混同しやすいですが、クレアチンとクレアチニンは役割が異なります。

クレアチン クレアチニン
主な役割 エネルギー代謝に関与 クレアチン代謝の産物
分子式 C₄H₉N₃O₂ C₄H₇N₃O
窒素数 3 3
筋肉との関係 クレアチンリン酸としてATP再生に利用 クレアチン・クレアチンリン酸から生じる
臨床との関係 筋エネルギー代謝 血清クレアチニンとして腎機能評価に利用

国試では、クレアチンはエネルギー代謝に関与し、クレアチニンはその代謝産物として尿中へ排泄されるという違いを押さえておきましょう。

国試での覚え方

この問題は、窒素の数を順番に整理すると覚えやすくなります。

アンモニア 1 → 尿素 2 → クレアチニン 3 → 尿酸・ビリルビン 4

特に、

クレアチニン=窒素3個

を中心に覚えておきましょう。

まとめ

「1分子中に窒素を3つ有するのはどれか」という問題の正答は、クレアチニンです。

クレアチニンの分子式は C₄H₇N₃O で、1分子中に3個の窒素を含みます。

国試では、アンモニア1個、尿素2個、クレアチニン3個、尿酸・ビリルビン4個と比較して整理しておくとよいでしょう。