核酸・核酸代謝

【過去問】核酸の純度を判定する際に用いられる吸光度の波長(nm)はどれか。2つ選べ。

第66回 臨床検査技師国試 生化学(遺伝子の基礎・検査) 過去問-9

第66回 臨床検査技師国家試験(2020年実施)午後 問題2

1. 240
2. 250
3. 260
4. 270
5. 280

 

Contents

正答

3:260 nm

5:280 nm

以上の2つが正しい。

解説

核酸の純度を評価する吸光波長として260 nm280 nmの2波長が用いられる。

260nmの測定対象

核酸(DNAやRNA)はそれぞれを構成する塩基が260nm付近の波長に吸収極大があるため、260nmにおける吸光度を測定することで溶液に含まれる核酸の定量をすることができる。
(アデニン:260 nm、チミン:265 nm、グアニン:275 nm、シトシン:265 nm、ウラシル:260nm)

260nmの吸光度が1.0となる核酸濃度として、
DNA:50ug/ml
RNA:40ug/ml
オリゴDNA(PCRプライマー等):33ug/ml

という値が頻用される。

 

280nmの測定対象

核酸溶液の純度を評価する上では、夾雑物質としてタンパク質の定量も同時に行う。

280nmはタンパク質の定量に用いられる波長であり、これは芳香族アミノ酸であるトリプトファンやチロシン、フェニルアラニンの側鎖が280nm付近に吸収極大を持つためである。
(トリプトファン:278nm、チロシン:275nm、フェニルアラニン:257nm)

核酸の純度を求める場合、260nm の吸光度と280nmの吸光度の比(A260/A280)を計算し、
DNA:1.8以上
RNA:2.0以上
であれば核酸の純度が高いと判断される。