核酸とその分解産物を解説|プリン塩基・尿酸まで国試向けに解説
DNAやRNAなどの核酸は、分解されると最終的に塩基・五炭糖・リン酸へと分かれます。
まず、核酸の分解で重要な流れを整理すると、
核酸 → ヌクレオチド → ヌクレオシド → 塩基
です。
さらに塩基は、
- プリン塩基:アデニン、グアニン
- ピリミジン塩基:シトシン、チミン、ウラシル
に分けられます。
特に国試で重要なのは、ヒトではプリン塩基が最終的に尿酸へ代謝されることです。
この記事では、第34回管理栄養士国家試験の「核酸とその分解産物に関する記述である」という問題をもとに、核酸の構造と分解について解説していきます。
核酸の構成と分解を一連の流れとして理解しておくと、関連する問題をまとめて判断しやすくなりますので、ポイントを押さえておきましょう。
Contents
核酸は何に分解される?
核酸はヌクレオチドが多数連結した高分子です。
分解の流れは、次のように整理できます。
核酸
↓
ヌクレオチド
↓ リン酸が外れる
ヌクレオシド
↓ 糖が外れる
塩基
それぞれの構成も押さえておきましょう。
| 名称 | 構成 |
|---|---|
| ヌクレオチド | 塩基+五炭糖+リン酸 |
| ヌクレオシド | 塩基+五炭糖 |
| 塩基 | アデニン、グアニン、シトシンなど |
したがって、
ヌクレオシドにリン酸が加わったものがヌクレオチド
と考えると区別しやすくなります。
核酸はペプチドには分解されない
核酸とタンパク質を混同しないことも重要です。
ペプチドはアミノ酸がペプチド結合によって連結したものです。
一方、核酸はヌクレオチドから構成されています。
したがって、
「核酸はペプチドに分解される」
という記述は誤りです。
ヌクレオチドの糖は五炭糖
DNAやRNAを構成する糖は五炭糖(ペントース)です。
- RNA:リボース
- DNA:2-デオキシリボース
したがって、
「ヌクレオチドは構成糖として六炭糖を含む」
という記述は誤りです。
グルコースなどは六炭糖ですが、核酸を構成するリボースやデオキシリボースは五炭糖です。
プリン塩基とピリミジン塩基
核酸を構成する塩基は、構造によってプリン塩基とピリミジン塩基に分けられます。
| 分類 | 塩基 |
|---|---|
| プリン塩基 | アデニン(A)、グアニン(G) |
| ピリミジン塩基 | シトシン(C)、チミン(T)、ウラシル(U) |
国試では、
プリン=A・G
ピリミジン=C・T・U
を確実に覚えておきましょう。
シトシンはプリン塩基ではなく、ピリミジン塩基です。
プリン塩基は最終的に尿酸へ代謝される
ヒトのプリン代謝では、アデニンやグアニンに由来するプリンヌクレオチドは、分解の過程でヒポキサンチンやキサンチンなどを経て尿酸になります。
大まかな流れは、
アデニン系
→ ヒポキサンチン
→ キサンチン
→ 尿酸
グアニン系
→ グアニン
→ キサンチン
→ 尿酸
と整理できます。
最後のキサンチンから尿酸への反応には、キサンチンオキシドレダクターゼ(キサンチンオキシダーゼ)が関与します。
ヒトでは尿酸をさらにアラントインへ分解する尿酸酸化酵素(ウリカーゼ)が機能しないため、尿酸がプリン代謝の最終産物になります。
したがって国試では、
アデニン・グアニン → プリン塩基 → 最終的に尿酸
と覚えておくことが重要です。
ピリミジン塩基は尿酸にはならない
シトシン、ウラシル、チミンなどのピリミジン塩基は、プリン塩基とは異なる経路で分解されます。
代表的には、
- ウラシルやシトシン由来 → β-アラニン
- チミン由来 → β-アミノイソ酪酸
などを経て、さらに代謝されます。
したがって、
尿酸になるのはプリン塩基
という区別が重要です。
国試レベルでは、
プリン → 尿酸
ピリミジン → 尿酸にはならない
とまず整理するとよいでしょう。
アルコールを飲むと尿酸排泄は増える?
増えるとはいえません。
むしろ、アルコール摂取は血清尿酸値を上昇させる方向に働きます。
エタノールが肝臓で代謝されるとNADHが増加し、ピルビン酸から乳酸への変換が促進されます。
増加した乳酸は腎臓での尿酸排泄に影響し、尿酸の排泄を低下させる方向に働きます。
さらに、アルコール代謝に伴うATP消費によってプリン分解が進み、尿酸産生が増加することもあります。
したがって、
「アルコール摂取によって尿酸排泄が促進される」
という記述は誤りです。
国試では、
アルコール → 血清尿酸値を上げる方向
と理解しておきましょう。
第34回 管理栄養士国家試験で確認
第34回管理栄養士国家試験(2020年実施)午前 問題19
核酸とその分解産物に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 核酸は、ペプチドに分解される。
- ヌクレオチドは、構成糖として六炭糖を含む。
- シトシンは、プリン塩基である。
- アデニンの最終代謝産物は、尿酸である。
- 尿酸の排泄は、アルコールの摂取により促進される。
正答
4.アデニンの最終代謝産物は、尿酸である。
それぞれの選択肢を、ここまで説明した内容と照らし合わせて確認していきましょう。
核酸はペプチドに分解される
誤りです。
核酸はヌクレオチドから構成されており、分解によってヌクレオチド、ヌクレオシド、塩基などになります。
ペプチドはタンパク質・アミノ酸に関係する構造です。
ヌクレオチドの構成糖は六炭糖である
誤りです。
核酸を構成するリボースとデオキシリボースは、いずれも五炭糖です。
シトシンはプリン塩基である
誤りです。
シトシンはピリミジン塩基です。
プリン塩基はアデニンとグアニンです。
アデニンは最終的に尿酸へ代謝される
正しいです。
アデニン由来のプリンヌクレオチドは、ヒポキサンチンやキサンチンなどを経て、最終的に尿酸へ代謝されます。
アルコールは尿酸排泄を促進する
誤りです。
アルコール摂取は、乳酸増加などを介して腎臓からの尿酸排泄を低下させる方向に働きます。また、尿酸産生を増加させる機序もあります。
国試で覚えるポイント
このテーマでは、次の4点を押さえておけば多くの選択肢を判断できます。
① 核酸 → ヌクレオチド → ヌクレオシド → 塩基
② ヌクレオチド = 塩基+五炭糖+リン酸
③ プリン塩基はA・G、ピリミジン塩基はC・T・U
④ ヒトではプリン塩基 → 尿酸
特に、
プリン=A・G → 尿酸
をセットで覚えておきましょう。
確認問題
次のうち正しいのはどれか。
- 核酸は最終的にペプチドへ分解される
- DNAを構成する糖は六炭糖である
- グアニンはピリミジン塩基である
- ヒトではプリン代謝の最終産物は尿酸である
正答:4
ヒトではアデニンやグアニン由来のプリン化合物が分解され、最終的に尿酸になります。
まとめ
核酸は、ヌクレオチドを基本単位とし、分解されるとヌクレオシドを経て塩基へと変化します。
国試では、それぞれの構造上の違いと、プリン塩基が最終的に尿酸へ代謝される流れを関連づけて理解しておきましょう。
